2026年8月29日 本日の介護ニュースまとめ
介護業界では、2026年度の介護報酬改定が始まった一方、すでに2027年度の介護報酬改定に向けた議論も進んでいます。
また、AI・DXの活用、災害への備え、介護職員の処遇改善など、介護現場を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。
本日も、介護現場で働く人が押さえておきたいニュースをまとめます。
① 厚労省、介護・福祉の「AX・DX」推進へ31人の増員を要求
厚生労働省は、医療・介護・福祉分野におけるAIトランスフォーメーション(AX)とデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため、2027年度の組織改編で31人の増員を求めています。
厚労省では8月に「ヘルスケアAX・DX推進本部」が設置され、AIを活用した業務効率化などを進める体制が整えられています。
介護現場では、記録や書類作成などの事務負担が大きな問題になっています。
AIによって記録作成や情報整理などの時間が短縮されれば、介護職員が利用者と向き合う時間を増やせる可能性があります。
ただし、
「AIを導入すれば介護が良くなる」わけではありません。
重要なのは、AIによって生まれた時間を何に使うのか。
単純に「もっと仕事をしてもらおう」と考えれば、結局は職員の負担軽減にはつながりません。
介護DXの本当の目的は、職員を減らすことではなく、
「人にしかできない仕事に、人を戻すこと」
なのかもしれません。
② 介護施設の災害対応を強化へ 厚労省が361億円を要求
厚生労働省は2027年度予算の概算要求で、介護施設などの災害対応を強化するため、「地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金」として361億円を計上しました。
施設の改修・修繕などを支援し、災害への備えを強化する方針です。
今年は大雨による災害も相次いでおり、8月27日からの大雨では富山県・石川県の一部地域にも災害救助法が適用され、厚労省から要介護高齢者への対応について事務連絡が出されています。
介護施設にとって災害対策は「BCPを作って終わり」ではありません。
停電したらどうするのか。
断水したらどうするのか。
職員が出勤できなかったらどうするのか。
利用者を安全に移動させられるのか。
そして何より、
「そのとき誰が判断するのか」
が重要になります。
普段から現場で訓練していなければ、災害時に突然うまく動くことはできません。
③ 6月の介護報酬改定、給与への反映を実感した介護職は約3割
2026年6月の介護報酬改定では、介護職員等の処遇改善が拡充されました。
しかし、介護職向けの調査では、給与への反映を「実感した」と回答した人は約3割にとどまりました。
さらに、事業所から改定について「十分な説明があった」と感じた人は1割以下だったとされています。
制度として賃上げのための財源が確保されても、
現場の職員が「給料が上がった」と感じられるかどうかは別問題
ということです。
介護職員等処遇改善加算は、国が職員一人ひとりの給与額を直接決める制度ではありません。
事業所がどのように配分するのかという部分があるため、職員への説明や透明性も非常に重要になります。
「処遇改善をやっています」
だけではなく、
「なぜこの金額になったのか」
を職員が理解できる仕組みも必要ではないでしょうか。
④ 老齢厚生年金15.1万円以内で入居できる老人ホームは66.5%
8月29日に公表された調査によると、老齢厚生年金の平均月額15万1,142円以下で入居できる老人ホームは、全国で66.5%だったとされています。
調査では16,581施設がこの基準以下となりました。
これは高齢者本人だけではなく、家族にとっても重要な問題です。
介護施設を選ぶ際には、
「空きがあるか」
「どんな介護をしてくれるか」
だけではなく、
「その費用を長期間払い続けられるか」
という視点が欠かせません。
今後、高齢者人口が増えていく中で、介護サービスの質と同時に「利用し続けられる価格」であることも大きな課題になっていきそうです。
今日の介護ニュースを見て思うこと
今日のニュースを並べてみると、
AI・DX
災害対策
職員の処遇改善
利用者の費用負担
という、一見すると別々の問題が並んでいるように見えます。
しかし、実は全部つながっています。
介護現場では人手不足が続いています。
だからこそ、AIやDXで無駄な業務を減らす。
その一方で、災害時にも介護を止めない仕組みを作る。
そして、そこで働く職員が長く働けるように処遇を改善する。
さらに、利用者や家族がサービスを利用し続けられる料金にする。
結局のところ、
「介護を持続可能なものにできるか」
という一つの問題に行き着くのではないでしょうか。
制度を変えるだけでは、介護現場は変わりません。
最後に現場で利用者と向き合うのは、やはり「人」です。
だからこそ、
人を大切にしながら、AIや制度をどう使いこなすのか。
これからの介護現場には、その視点がますます重要になりそうです。
本日のポイント
今日も介護現場で働く皆さん、お疲れさまです。
出典
- 厚生労働省「社会保障審議会(介護給付費分科会)」
2026年8月28日開催・令和9年度介護報酬改定に向けた議論
- 厚生労働省「令和8年度介護報酬改定について」
- 厚生労働省「介護・高齢者福祉分野のトピックス」
- 株式会社エス・エム・エス「6月の介護報酬改定 実感調査」
2026年8月27日